犯罪と刑罰29号の特集「捜査活動に対する法律による規律」に参加する機会をいただきました。企画者の斎藤司先生の尽力で、刑訴法や行政法の研究者が論文を寄せるに至りました(実質は、「斎藤理論にどう応接するか」という問題意識が緩やかに共有されている企画だと感じました)。刊行された本誌を読んで、私の論文はともかく、他の方々の論文は、示唆に富み勉強になりました。私自身にとっては、考えを整理する機会をいただけたことは、大変ありがたいことでした。
私は「捜査法における明文規定の必要性とその規律密度」と題して、ごく大雑把にいえば、以下の主張をしました。第1に、法律の留保の一場面を強制処分法定主義が表現しているに過ぎず、捜査法上、立法が必要となる場面はより広く、「刑事手続上重要な事項」に及ぶこと(そのことは刑事免責に関するロッキード事件最高裁大法廷判決が示唆していること)。その結果、任意処分であっても、立法が求められうる場合があること。第2に、強制処分法定主義に関する刑訴法197条1項は、一定の処分について類型的に規律密度を引き上げることを宣言したものであること。その上で(詳細についての紹介はここでは割愛しますが)、強制処分についてどのような事項を制定すれば規律密度が引き上げられていると評価されるのか、いくつかの例を取り上げて検討しました。
あまり斬新なことを主張できたわけではなく、ここ数年間にわたりぐずぐずと考えていたことを、踏ん切りをつけて整理したという感じです。ご批判いただければ幸いです。
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