季刊刑事弁護105号において、司法面接によって得られた供述の証拠能力と信用性について判断している裁判例を分析した、掲題の文章が掲載されました。笹倉香奈「司法面接の現状と刑事弁護上の留意点」とセットで掲載されていますが、笹倉先生のものは司法面接の特徴に即して、刑事弁護上意識すべき点を示すものです。私の方は、もっぱら裁判例における事実認定上の特徴を抽出し、そこから刑事弁護人が意識するほうがよさそうなことを示そうとしたものです。いずれも、司法面接の現状を把握するために、編集委員会で執筆するよう求められました。
司法面接の信用性が否定された裁判例においては、司法面接に至る前に第三者によって供述者に対する影響が存在した可能性が指摘されていること等、いくつか気になった点を示したつもりです。なお、私の書いたものは、2020年11月30日時点で、LEX/DBとWestlawのデータベースに収録されていた裁判例を対象としています。司法面接のキーワードで検索できた裁判例を網羅的に読み、その特徴を整理しました(代表者聴取や協同面接の用語では、データベースではヒットしませんでした)。
ご批判いただけますと幸いです。
因みに、同じく105号では、既決(性犯罪者)および未決(被告人)の者を対象とした電子監視を批判的に検討する、甘利航司「「GPS型電子監視」について考える」も掲載されております。104号は、被告人の電子監視について比較的好意的な拙稿を、105号では批判的な甘利論文をお願いすることで、電子監視について考える素材を提供したいと考えました。併せてご笑覧の上、ご批判いただけますと幸いです。
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