季刊刑事弁護104号(206-216頁)に、「被告人の釈放と電子監視」を掲載していただきました。法制審議会刑事法(逃亡防止関係)部会が、現在、保釈や勾留執行停止がなされた被告人等の逃亡を防止するための措置について、検討しています。このことを受けて、弁護士会から、アメリカにおける被告人の釈放にかかる制度、とりわけ釈放された未決の被告人に対する電子監視について、研究報告を依頼されました。その報告内容に、加筆をした上でまとめたものとなります。
アメリカにおいて、身体拘束をされた被告人が釈放される場合の制度の概要を説明するとともに、(1)金銭によって公判廷への出頭等を担保する保釈制度を廃止する動向や、(2)アルゴリズム等を用いて被告人のリスク・アセスメントを行う制度を導入した州の動向、(3)移動制限などの釈放条件を担保するとして実施される電子監視制度の概要と、その効果の有無をめぐる議論、弊害に関する議論状況などを私なりに整理しました。その上で、アメリカの制度から導きうる日本への示唆を、いくつか示しました。
日本とは異なる前提が数多く存在するため、その説明にも字数を費やした結果、同誌に掲載するには長めの論文になってしまいました。編集の方には申し訳なかったです。内容等について、ご批判いただけますと幸いです。
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