判例評釈:Pena-Rodriguez v. Colorado

「判決後に陪審員が偏見に基づく発言を評議において行っていたことを理由に陪審裁判を受ける権利の侵害を認めうるとした事例」判時2362号(2018年)14頁以下が、公刊されました。

次のような事案について判断した、アメリカの連邦最高裁判例です。事実審裁判所が判決を下した後に、任務を解かれた陪審員が、陪審の評議中に人種差別発言を繰り返していた者(陪審員)がいたことを指摘したため、裁判所の面前で宣誓供述書が作成されました。この宣誓供述書に依拠して、被告人側が、合衆国憲法第6修正の保障する陪審裁判を受ける権利を侵害されたとして、再審理を求めて争ったものです。

アメリカは事実誤認を理由とした上訴が認められていないため、このような形での争いになったように思いますが、日本の場合であれば、事実誤認の有無(判例の表現を用いるならば、論理則、経験則等に違反した事実認定であるか否か)という問題に、多くが回収される可能性が高いようにも思います。…などなど、背景事情を含めて説明することを試みました。宜しくお願い申し上げます。

判例時報の海外判例紹介では、刑訴法のなかで特定の分野の判例ばかりの紹介にならぬように、判例を選択しているつもりですが、次は捜査法関係の判例を取り上げたいような。